THE BEE ロンドンバージョン

やっぱり日本版もとっておけばよかった、と後悔。いや、ロンドン版が凄かったからって理由ですけど。女優さんが凄い、男優さんも凄い、そして野田秀樹はもっと凄い。「身体の一部が切断される」というシーンは「少女とガソリン」でも出てきたんだけど、よりリアルだった「少女と〜」よりもちょっとした仕掛けで暗喩的に見せた今回の方が100倍以上「痛さ」を感じたという。実際最初は目そらしちゃいましたよ。だけどこの作業が繰り返されるにつれてやる側もやられる側もそしてそれを見ている側である我々も感覚が麻痺していくわけで。この無限に続くような「繰り返し」がこの舞台最大の恐怖でした。んでおよそ上演時間70分とは思えない密度の濃さと精神的疲労感。リアリティを追求するよりも舞台装置や身体表現でこんなに演劇の可能性って広がるんだ、としみじみ。シアタートラムほどの狭いハコで、とんでもないもの観させていただきましたさ。