塾の先生が……

9ヶ月前まで塾講師をやっていて、なおかつ小6を教えていた人間(しかも同じ国語)としては触れないわけにいかないでしょう。
この事件(内容は書かずともよいですな)、殺人という行為そのものは論外として、彼の心理状態というのは何となく分かる気がします。
・生徒から人気があった
・明るく厳しい熱血先生だった
彼の講師としてのパーソナリティをまとめるとこういうことでしょう。実はわたしの講師タイプもこんな感じでした。いや、自分で人気があるとか書くのもどうかと思うんだけど、少なくとも嫌われることは滅多になかったです。そして人気があると自然と生徒との距離が近くなりすぎて、必要以上の思い入れをしてしまう危険性があります。これは学生バイトの塾講師ならではの心理プロセスだと思ってるんですが……。
もし、そこまで思い入れしている生徒に「キライ」とか「キモイ」とか言われ、果ては自分の担当授業をとらないという話になったら……わたしがその状況に直面しても相当ショックを受けると思います。そして生徒によるアンケート(うちもありました)ってのもかなり重要なファクターでして。生徒も子供といえど、いや、子供だからこそシビアなところがあって、なおかつそれを正直に書いてしまう。そんな子供の本音を読むのははっきり言って恐怖です。ちょっとでも自分のマイナスな面を書かれたら凹みましたもん(笑)。まして彼はそうやって「講師としての自分」を否定されたことがあまりなかったと推測されるので、その衝撃たるや相当なものだったでしょう。まるで自分の全存在を否定されたかのような……あくまで推測ですが。
ただ、仮にショックだったとしても、「彼女を消さないと」という結論に帰着するところが大問題なのであって。自分にとって障害になりうるものを消しさえすればいい、って発想は非常に「ゲーム的」な気がします。こういうこと書くとすげえ年くってる気分になるんだけど、ゲームの影響で殺人が増えた、というロジックはあながち間違いではないと思っているので。
ま、こんなとこでしょうか。何はともあれこれで塾屋の風当たりは相当強くなるだろうなあ……やれやれ。